グローブの紐は、捕球時の衝撃をやわらげるクッションや、グローブの形を保つ役割をしている重要なパーツです。
そのため紐にかかる負荷は大きく、グローブを使っていく中で消耗していきます。
日頃のメンテナンスを通して、紐のお手入れや状態をチェックしておくことは大前提ですが、試合中など大切な場面で紐が切れてしまった場合の応急処置方法を知っておくと安心です!
この記事ではグラブマスターが教える応急処置方法のほか、ポジション別の紐切れが起こりやすい箇所や、切れそうな前兆を写真付きで紹介します。
1. 結べそうな長さになるまで、切れた部分の紐を引っ張ります。
その際に、紐を引っ張りすぎて別の場所が切れてしまわないよう、ちからを加減してください。
切れた部分の紐が短く、むすびづらい場合はペンチなどを使うか、切れた箇所の手前から少しずつ紐を引っぱっていきます。
2. 切れた紐同士を2回結んで、固結びにします。
ぎゅっ、と固く結べていて、紐と本体パーツとのあいだに「隙間」がなくなっていればOK。
紐のクッション性を損なわずにプレーを続行できますが、あくまでも「応急処置」です。
使用後は早めに当店などの専門店に持ち込み、紐を交換してくださいね。
接着剤の使用はNGです! 紐のクッション性が損なわれるだけでなく、他の場所に付着すると革の表面が剥げてしまう、などのトラブルに繋がるので、避けてくださいね。
紐切れが起こりやすいポジションは順番に、
キャッチャー→ ファースト→ ショート→ セカンド→ サード→ 外野手の順で、特にキャッチャーとファーストは補球回数が多く、受ける球のスピードも速いため、紐の傷みや消耗が激しくなります。
またどのポジションも、写真で示したウェブ周りがもっとも切れやすい箇所です。
ウェブの紐が切れたまま使用を続けると、ボールがグラブを通り抜けてしまったり、抜けたボールが顔や体に当たる危険性があります!
紐が切れそうな場合は、見た目にその兆候を知ることができます。ウェブ周りを中心にグローブの紐をチェックして、以下のような状態がみられたら紐が切れる前兆です。
・紐が消耗により細くなっている、薄くなっている
・表面がはげている
・乾燥し表面がひび割れている
前兆が見つかった場合はぜひ、当店の紐交換メニューなどを使って早めに対処してくださいね。
このような消耗をなるべく起こりにくくするために、メンテナンス時にしっかりと紐にもオイルを染み込ませてくださいね!
当店の紐交換メニューは、実店舗だけでなくオンラインからもお申し込みが可能です。
紐が切れてしまった場合や、切れそうな前兆を見つけた際は、下記メニューをご利用ください。
グローブの全ての紐の新品交換と、内部のグリス交換がセットになったパックです。
全紐の交換パックに保湿オイルの塗布を加えて標準的なグローブメンテナンスさせていただきます。
「紐切れ」はグローブが消耗していく中でもっとも起こりやすい症状です。
そのため、今回の記事で紹介した内容を知っておくことで早めに対処ができ、試合中に切れてしまっても応急処置ができるため、プレーに集中することができますよ!
日々のお手入れでは、「紐」にもしっかりとオイルを染み込ませることが大切です。革が保湿され切れにくくなるだけでなく、捕球時のクッション性を保つことにも繋がります。
ぜひ、メンテナンス時に紐などの細かい部分をチェックする習慣を身につけ、快適なプレーをしてくださいね。